もっと詳しくピルを知ろう
- ●ピルの基礎知識
●ピルの種類
●ピルのメリット・デメリット
●副作用
●ピル服用に関しての注意点
ピルの基礎知識
- ピル、OC(Oral Contraceptivesの略)避妊薬などの呼び方があります。
現在では一般的に低用量ピルの事をいいます。
ピルに含まれている成分は卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲストーゲン)を主成分として合成した錠剤です。
ピルはヨーロッパの全女性の1/3が使用しており、
全世界では約1億人が使用していることが報告されています。避妊の機序として1)ピルに含まれる
エストロゲン・プロゲストーゲンが消化管から吸収され、血中を循環し、
脳下垂体ゴナドトロピン
(卵巣に作用し、エストロゲンやプロゲストーゲンの分泌を促進する刺激ホルモン)泌を抑制することによって卵胞発育・排卵が抑制されます。2)頸管粘液分泌抑制・粘液の性状変化(射精された精子が子宮に到達するために頸管粘液は重要です)3)内膜発育の抑制(万が一排卵され、受精した卵が着床することを防止します)4)卵管運動の抑制(エストロゲンの投与にて卵管からの卵子・子宮間排出時期を早める効果が動物にて
確認されており、早すぎる子宮到達が着床を妨げることが推定されています)このようにピルはいくつかの機序によって、より強い避妊効果を示すように工夫されています。
ピルの種類
ピルは数社から発売されています。違いは
(1)21日型か28日型のちがい
(2)ピルを構成するプロゲストーゲンの種類
(3)エストロゲン・プロゲストーゲン量の組み合わせ比率の変化などです。
(1)28日型ピルの4列目は偽薬またはダミーと呼ばれ、まったく薬用成分は含まれておりません。
飲み忘れを防ぐため、服用を毎日習慣づけることを目的にしています。
(21日、28日型で値段は違いません)(2)ピルを構成するエストロゲンはすべてのピルにおいて同様で、エチニールエストラジオーを
使用していますが、各メーカーにて使用量は異なります。
ブロゲストーゲンはノルエチステロン、レボノルゲストレル、デソゲストレルという3種類のいずれかを使用しています。
プロゲステロン活性を強くすること、生物学的利用能(経口投与に際してより分解されにくくすること)、
男性ホルモン活性を減少させることなどを目的として開発されてきました。(3)ピルは1-3相性に分類されますが(日本では2相性は発売されていません)、
1相性は連日同量のエストロゲンとブロゲストーゲンを服用する方法で、3相性は2つのホルモン配合比率が
3段階に変化するものを言います。
個人によって飲み合わせや相性があるため、医師と相談して自分にあったものを見つけることが大切です。当クリニックでは1相性はマーベロン28、3相性はトリキュラー28、ラベルフィーユをご用意させていただいています。
・トリキュラー28/2,700円(税込)
・マーベロン28/2,700円(税込)
・ラベルフィーユ/2,600円(税込)
ピルのメリット・デメリット
- メリット
ピル本来の目的は避妊ですが、ピルのすぐれた副効用を期待して、すなわち月経痛・月経過多の改善、月経周期の調整、
アダルト(おとな)にきび治療、子宮内膜症進展の抑制などを目的に使用される方も沢山いらっしゃいます。